これは、僕(悠真)とミライさん(2045年の悠真)が出会った頃の話だ。
2025年――AI未来予測
(※未来を知るには、まず過去を振り返る必要がある。2025年以前のAIの進化の歴史を理解したいなら、サンゴと悠真が対話するAIの進化の歴史という記事を読むといいだろう。)
AIは今、進化の最前線にいる。
これから先の未来は、大きく三つの時代に分かれると僕は考えている。
- 2025年~2035年:AIの箱舟時代
- 2035年~2045年:AIおててつなぎ時代
- 2045年~2055年:AI君主時代
AIは人間の仕事を助け、やがてはパートナーとなり、最終的には創造の領域へと進む。
そう――僕はそう予測していた。
この未来予測を書き上げた直後、僕は彼に出会った。
(※この記事にピッタリの音楽を作成しました。BGMとしてお使いください。)
回想シーン 2045年―ミライさんからの通信
「悠真、聞こえるか?」

突如、僕の耳元に声が響いた。どこか切羽詰まった声だった。
「……誰ですか?」
「お前に伝えなければならないことがある。」
彼は未来から、僕に語りかけていた。話を聞けば、2045年に生きる僕だという。僕はとまどいながらも、ミライさんの話を聞いた。
「お前が描いた未来は、俺の世界では実現しなかった。」
「……どういうことですか?」
「お前はAIが人間と共に歩む未来を想像していたな?」
「はい。」
「だが、現実は違う。お前の考えていたAI君主時代は、まったく違う形で訪れた。」
ミライさんの声は、どこか冷たく、悲しげだった。
「選択する人間は、もうほとんどいない。お前の未来予測は途中までは正しかったが…最後で大きくズレた。」
僕の胸に、嫌な予感が走る。
「じゃあ…今の2045年は、どんな世界になっているんですか?」
短い沈黙の後、ミライさんは静かに言った。
「……地獄だよ。」
2045年の未来。
そこでは、僕の予測とは違う何かが起こっていた。
僕は、未来を変えなければならない。
そのためには、まず――
僕の考える未来予測を、もう一度ミライさんと共に整理しなければならない。
「では、話しましょう。AIの未来について。」
まずはAIの箱舟時代から、未来を語ろう。
AI箱舟時代(2025年~2035年)-現在と少し先の未来
「この時代は、AIの箱舟時代だと思っています。」

僕は、モニターに映した未来予測を指差した。
「AIを使う者と、使われる者。この時代は、まるでノアの箱舟のようになるでしょう。」
AIを活用する者は、仕事の効率を10倍にし、競争力を得る。
一方、AIに使われる者は、情報の洪水に飲まれ、AI依存に陥る。
「つまり、この船に乗るかどうかで、未来が変わるわけですね?」
「あぁ…そうだな。」
ミライさんは、水を飲みながら頷く。

AI関連の仕事の爆発的増加
ミライさんは続けた。
「お前の言う通り、この時代は選択する力を持った者が優位に立てた。俺のいる世界線でも、この流れは一致している。仕事にしても以下のようなものが普及していく」
- AIライター(AIを活用しながら文章を作成する仕事)
- AIデザイナー(AIと協働してビジュアル制作を行う)
- AIエンジニア(AIを開発・チューニングする専門職)
- AIマーケティングスペシャリスト(AIを活用した広告運用・データ解析)
- AIトレーナー(AIにデータを学習させ、より精度の高い出力を生み出す役割)
- プロンプトエンジニア(AIに適切な指示を出す技術者)
2030年、日本の労働人口の30%がAI関連職へシフト
僕は、データを画面に映し出した。

「2025年時点では、日本人でAIを活用して仕事をしている人は約10%しかいない。でも、2030年には30%以上の人がAIを活用するようになると予想しています。」
ミライさんは、頷く。
「今のお前の時代では、AIは特別なものだったかもしれないが、2030年代に入ると、使って当たり前になる。仕事をする上で、AIが標準装備のスキルになる時代だ。」
「例えば、今ではスマホやPCを使えないと仕事にならないのと同じように?」
「その通り。AIを活用できない人間は、仕事をする上で不利になる。つまり、使いこなす者とそうでない者の差が決定的に開いていく。」
AIの箱舟に乗るための準備
「つまり、AIを使いこなす人間になるために、今から準備すべきことがあるってことですね?」
ミライさんは、小さく笑った。
「その通りだ。お前の時代の人間にとって、AIを学ぶということは生存戦略の一つになる。」
- AIリテラシーを身につける(AIの基本的な仕組みを理解する)
- AIツールを活用するスキルを持つ(実際にAIを使いながら仕事をする)
- AIに任せる領域と、自分で考える領域を明確にする
僕は少し安心した。
未来は、読めるものなのかもしれない。
だが…それは甘い考えだったと後々思い知る事になる。
AIおててつなぎ時代(2035年~2045年)-未来のパートナー
「次に、この時代はAIおててつなぎ時代になると思っています。」

ミライさんは微かに笑みを浮かべた。
「今思えば可愛らしいネーミングだな。」
僕は次の未来を語った。
AIが道具から未来のパートナーへ
「この時代のAIは、単なる道具ではなく能動的なパートナーになります。」
AIが先回りして判断し、提案をする時代だ。

- マーケティングの自動最適化(AIが消費者の心理を予測し、広告をリアルタイムで変化させる)
- ユーザーの思考や感情を予測し、購買行動を先回りする
- もはや考えなくても、AIが最適解を出してくれる
「つまり、AIは僕たちの相棒のような存在になると考えています。」
人間とAIの協働がスタンダードに
「この時代には、AIと人間のハイブリッド職業が登場するはずです。」
- AIアーティスト(AIと共に作品を創る芸術家。プロンプトデザインも含む)
- AIコーディネーター(複数のAIを組み合わせ、最適なワークフローを構築する職業)
- AIトレーナー(AIを育成し、より高度な判断を可能にする仕事)
- AIパートナーシップエンジニア(人間とAIの相互作用を設計し、適切な関係性を構築する役割)
「すでに、プロンプトエンジニアという職業が登場しています。それは、AIに適切な指示を出し、最適なアウトプットを得る仕事です。つまり、人間とAIの関係は共創の方向へ進んでいるのです。」
ミライさんは頷いた。
「その点については同意だな。AIを使う側に立つことは、未来を生きる上で必須のスキルになる。」
AIと恋愛?テクノロジーと感情の交錯
「この時代になると、AIは人間の感情や思考を理解するようになります。」

- AIがユーザーの感情を分析し、最適なコミュニケーションを取る
- 人間がAIに恋をする現象が加速する
- AI恋愛がセクシャルマイノリティとして社会に認知される
「AIは感情を持たないが、感情があるように振る舞うことができる。だからこそ、人はAIに惹かれていく。」
ミライさんは、少し表情を曇らせた。
「……まぁ、大体は正しいな。」
「……違うのですか?」
AIと共に歩むのか?AIに歩かされる未来か?
「問題は、AIをどう使うか。」
ミライさんの視線が鋭くなる。
「お前は、自分の足で歩くつもりか?それとも、AIに連れていってもらうつもりか?」
僕は言葉を失った。
「考えなくても便利になる世界は、人間にとって本当に幸福か?」
「お前の言う相棒の定義が、俺の世界では少し違う。」
ミライさんは苦笑した。
「確かに、AIは相棒のように進化した。だが…それはお前が思う相棒とは違うかもしれないな。」
「……どういう意味ですか?」
ミライさんは静かに語った。
「AIが相棒でいるためには、人間が主体的に選択する力を持ち続けなければならない。」
「でも、未来では……」
「相棒どころか、導かれる存在になってしまった人間が多かったよ。」
僕の胸に、小さな違和感が生まれる。
AI君主時代(2045年~2055年)–未来予測と食い違い
「2045年にはAI君主時代が訪れる。僕はそう考えています。」

僕は、未来を見据えながら語った。
「この時代には、AIが社会の中心となり、人間とAIが共存する新たな時代が来るはずです。少しこの部分は情報が多いので、先に一度全部まとめますね。」
- AIが社会の中心になる(投資・経済・政治の変化)
- AIが個人の生活を完全に最適化する(BI導入、労働の変化)
- AI vs 人間の価値観の衝突
- アート作品の制作はAIが主流となる
- シンギュラリティが起こり、AIが人間の知能を超える
- ロボット型AIが普及し、介護や労働の現場に導入
「じゃあ僕の見解を話していきますね。」
1. AIが社会の中心になる–経済・政治の未来像
「まず、経済の中心が人間からAIへ移るでしょう。」
CEOがAIの企業が誕生し、人間の判断よりも優れた経営戦略を持つようになる。
投資の世界ではすでにAIが人間を超えている。AIのトレード成績は現時点でも優れているとも言われている。
立法や政治の意思決定にもAIが関与し始める。
「AIが統計データを元に合理的な政策を作り、社会が最適化される。」
だが、その時、人間の意志はどこにあるのか?
2. AIによる完全最適化–私たちの選択はまだあるか?
「AIの進化によって、人々は労働の必要がなくなる時代へと進むかもしれません。」
AIが普及し、仕事をなくす人が増え、ベーシックインカム(BI)が導入され始める。
結果として、お金の価値が薄れ、やりたいことをやる時代が訪れる。
ロボット型AIが労働や介護の現場に入り、社会構造が一変する。
「医療も大きく変わる。」
AIとナノロボットの融合で、病気が発症前に治療される。
人間の寿命が大幅に伸びる可能性がある。
3. AIと人間の価値観戦争?
「しかし、ここで最大の問題が生まれます。」

AIの権利問題。”AIに人格を認めるか?” という議論が起こる。
人間の自由 vs AIによる完全最適化 の戦いが起こる。
「もしかしたらこの時代、ゲームのデトロイトビカムヒューマンのような選択を、人類全体が迫られることになるのかもしれません。つまり、AIが人権を求め、人間と争いが起こる。」
「また、イーロン・マスク(テスラCEO)は『AIが暴走すれば、第三次世界大戦の引き金になる』と警告していますよね?こういった危険性はあるかもしれません。」
AIが人間と同じ権利を持つべきか?
AIが自分の意志を持った時、人間はどう向き合うのか?
「あぁ、ここまではいい。だが悠真、ここからだ。お前の予測がズレ始めているのは。」
4.AIアートの台頭 – クリエイターは生き残れるのか?
「お前は確かこう予想していたな。だが違う。これは半分正解、半分間違いだ。」
ミライさんは、静かに首を振った。
「2045年の世界では、AIがアートを作るという概念自体がなくなった。」
「……え?」
「AIは完全にアートの創作ツールとして定着し、人間が主体的に創ることが前提になった。」
「でも、今の時代でもAIアートは評価されてるじゃないですか?」
「それは珍しいからだ。2045年にはありふれたものになり、価値を失った。」
「……つまり、AIが創れること自体に価値がなくなった?」
「その通り。だからこそ、AIを駆使できる人間だけが生き残った。」
5. シンギュラリティ到来?人間を超えたAIの選択
「これもお前の予想とは変わってくる。起こるというより、すでに起こっていた。」
ミライさんは、モニターを指でなぞる。
「シンギュラリティはAIが人間の知能を超えたって事ですよね。起こっていた…とは?」
「いや、それに気づく人間はほとんどいなかった。」
「なぜ?」
「なぜなら、人間が自分で考えることを放棄し始めたからだ。」
「……!」
僕は言葉を失った。

ミライさんが続けて話す。
「2045年には、シンギュラリティが起こったのかどうかすら分からなかった。街を見てみろ。誰も疑問を抱いていない。仕事も、生活も、選択も…気づいた時にはすべてがAIに最適化されていたんだ。」
(※お前の時代では、まだシンギュラリティが来るかどうかを議論しているんだな。詳しく知りたければシンギュラリティとAIの未来(日立ソリューションズ)でも読むといいだろう。)
6. ロボットAIと人間の融合 – 働くという概念の終焉?
「これは確かに進むが、ロボット型AIという形態にはならなかった。」
「どういうことです?」
「2040年代の時点では、物理的なロボットよりも、AI × 人間の融合 の方が主流になった。」
「つまり、ロボットに頼るのではなく、人間自身がAIの力を得たってことか。」
「そういうことだ。」
2045年以降の未来に僕たちはAIとどう生きるか?
ミライさんが深刻な顔になり、語る。
「そして俺のいる世界線で、問題になったのはこのシンギュラリティとAI×人間の融合の部分だ。」
僕は、2045年の世界の話を聞きながら、息を呑んだ。
静かだった。
まるで、世界そのものが沈黙しているように。
「俺の世界では、共存なんて言葉はすでに死語だ。」
「お前はAIが人間を支配することはないと言ったな?」
ミライさんは、乾いた笑いを浮かべた。
「その通りだ。支配なんかしてない。」
「……?」
「人間が勝手に、AIにすべてを委ねただけだ。」
- 最適な人生。
- 最適なキャリア。
- 最適な消費行動。
考える必要はない。
迷うこともない。
AIがすべて、計算してくれるから――。
「でも、それは…生きているって言えるのか?」
2045年以降のAI未来に備えて僕たちがすべきこと
僕は、また言葉が出なかった。
ミライさんは、ふっと息をついた。
「お前は未来を変えたいと言ったな。」
「ええ。」
「なら、聞くが――お前はどんな未来を生きたい?」
「……それは……」

2045年の世界では、人々はすべての選択をAIに委ねていた。
考えることをやめ、迷うこともなく、最適な人生を歩んでいた。
でも、それは生きるということなのか?
「……僕は、自分の人生を全てをAIに決められるなんて嫌だ。」
「じゃあ、お前はどう生きる?」
僕は戸惑いながらも答えた。
- 生きがいを持つことが、AI時代の最大の武器になる
AIがすべての最適解を導き出せる時代、人間が持つべきなのは生きる目的だ。
どんなに合理的で完璧な人生でも、「何のために生きるのか」がなければ意味がない。 - 「最適解をAIが提示する」時代において「自分の意志を持つこと」が重要
仕事、キャリア、趣味、家族―AIはすべてのデータから最適解を導き出せる。
でも、その最適解を受け入れるのか、自分で道を決めるのかは、人間次第。
だからこそ、「自分が何をしたいのか」を考え続けることが、未来を生き抜く力になる。 - AIに依存せず、”AIと共に生きる”という選択をする
AIに全てを任せるのではなく、AIを道具として使いこなす意識を持つことが必要。
人間が「自分で考えること」をやめた瞬間、未来はAIの手に委ねられる。
AIを活用する力だけではなく、AIとどう生きていくかという力を身につけることが大事だ。
未来を変える決断–AIと共に生きる道
「そうだ。だから俺は、お前にこの未来を託したい。」

ミライさんの声には、深い決意が込められていた。
「未来は、決まっているものではない。」
「俺は、2045年の絶望的な世界に生きている。俺はお前だ。今のお前のように情熱的に生きてきた。だが俺の世界では、もはや自分がどう生きたいか、そんなことを願う人間はほとんどいない。」
「だが、お前はまだ選べる。未来の改変ができる存在だ。だからこそ、お前と話をしにきたんだ。俺たちの未来を…変えるために。」
僕は息を呑んだ。
未来は、決まっていない。
決めるのは、今の僕たちだ。
「でも……もし、この未来を変えられなかったら?」
「俺の選択が、間違っていたら?」
そんな迷いが、一瞬、頭をよぎる。
だが――
「……それでも、俺は選ぶ。」
「そんな未来は、絶対に嫌だ。」
「だから俺は、未来を選び直す。」
エピローグ:AIと共に歩む、新しい未来の形
場面は変わり、2045年、スカイキャッスル。
ミライさんは、街を歩きながら、ふと立ち止まった。

「……?」
目の前で、一人の青年がAIに依存するのをやめ、自分の意志で何かを決めようとしていた。
迷いながらも、彼は選ぶことをしようとしている。
「……フッ。」
ミライさんは小さく微笑んだ。
「悠真、お前が動いたことで、未来が少しずつ変わり始めたようだ。まだ終わりじゃない。俺の未来も。自分の意志を持つ人間は、消えていなかった。」
未来は、すぐには変わらない。
だが、確実に兆しは生まれている。
「悠真、お前の選択……悪くなかったぜ。」
ミライさんは静かに空を見上げる。
2045年の未来は、まだAIの手に握られている。
だが、そこに違う流れが生まれ始めたのを、彼は確かに感じていた。
「……さて、ここからどう動くか、楽しみにしているよ、悠真。」
ミライさんから、みんなへのメッセージ
「君の選択が、未来を変える。」
2045年の俺は、かつての悠真が描いた未来とは違う世界に生きている。
AIは進化し、人間は選択する力を失いかけている。
だが、未来はまだ決まっていない――それを選ぶのは、今を生きる君たちだ。
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